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減圧水替工法について
投稿者:NK 投稿日: 7月29日(火)19時02分33秒

河川内に施工する橋脚の鋼管矢板井筒基礎工法において内部掘削時における減圧水替ディープウェルが設計されています。
減圧水替について教えてください。
よろしくお願いします

NKさんへお答えします。
投稿者:管理者 投稿日: 7月30日(水)11時17分43秒

鋼管矢板の仕様、土質状況等が不明ですから、減圧用ディープウェルの概要について説明します。
次回からは仮設計画と土質状況をお教えください。

1.ディープウェルの設置目的

私はディープウェルの設置目的を次のように区分しています。

(1)湧水処理   掘削溝内に連続的に流入する地下水を揚水し、掘削工のドライワーク化を図る。

(2)減圧処理   被圧帯水層の地下水揚圧力を減圧し、盤ぶくれ現象を防止する。

(3)タマリ水処理 止水工法で遮断されたタマリ水を排水し、掘削工のドライワーク化を図る。

ディープウェル設置位置、経済性などによって(1)~(3)を兼用することがありますが、兼用方法によってはリスクが増大しますので注意が必要です。
盤ぶくれ防止を目的とする減圧ディープウェルは、安全上、極めて重要なものですから、他との兼用は避けるべきです。
本件は(2)に該当するものと思われます。
なお、盤ぶくれ現象については資料室内の設計資料を参照してください。

2.減圧ディープウェルの設計方法

(1)減圧対象土層の特定
すべての被圧帯水層について「盤ぶくれ現象に対する検討」を行い、減圧対象土層を特定します。
なお、止水性土留工法を採用している場合、根入先端部を盤ぶくれに対して安全な粘性土層まで延長することも重要な選択肢の一つとなります。
資料室内の資料ダウンロードから盤ぶくれ検討用ソフトをダウンロードし、利用してください。

(2)所要減圧水頭(水位)の決定
前(1)の検討結果をもとに、所要減圧水頭(水位)を決定します。
ディープウェル外周面、基礎杭外周面、棚杭部分などからの湧水を防止するためには、所要減圧水頭(水位)を本体掘削床付面以深に設定しなければなりません。

(3)設計方法
井戸理論式を用いて設計します。
資料室内の資料ダウンロードから設計ソフトをダウンロードし、利用してください。

3.設計施工上の注意事項

(1)減圧ディープウェルのストレーナは減圧対象土層部分に限定して配置してください。

(2)ディープウェル設置位置を掘削溝外とする場合は、上部帯水層からの地下水流入を防ぐためフィルタ砂利層中にシール層を設けてください。
シール位置は減圧対象土層直上の粘性土層中です。

(3)ディープウェル設置位置を掘削溝内とする場合は、躯体内にディープウェルを抱き込む形となり、断面欠損補強工や止水閉塞工などの作業が必要となります。
掘削床付完了後、減圧ディープウェルに代わる盤ぶくれ防止対策を講じ、ディープウェルを撤去できれば問題ないのですが・・・。

(4)減圧ディープウェル内に釜場排水などの泥水を流さないでください。
水中ポンプが故障し、最悪の場合、盤ぶくれ現象が発生します。

以上、簡単ですが、お答えします。

他にも多くの情報があります。
詳細についてはメール交換の方が良いかもしれません。