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ディープウェル・ストレーナの配置位置について

ディープウェル・ストレーナの配置位置について
投稿者:管理者(利光) 投稿日:10月30日(木)13時24分6秒

ディープウェル・ストレーナの配置位置はディープウェルの設置目的によって異なります。
以下、簡単に解説します。

1 減圧用ディープウェル

主に盤ぶくれ現象の防止を目的として設置しますので、ストレーナは減圧対象土層に限定して配置します。
なお、減圧対象土層直上にある難透水層(シルト層、粘土層)部分に止水シールを施す場合はシール材(グラウト材、粒状ベントナイト、粒状粘土など)がウェル内に流入しないよう、ストレーナ位置を決定しなければなりません。
シール材は上部帯水層からの地下水供給路を遮断するために使用するものです。

2 湧水処理用ディープウェル

地下水位低下を目的として設置しますので、ストレーナは帯水層全体(地下水位面~砂ダメ上端)に設置します。
設計計算によって算出される有効ストレーナ長相当としている事例もありますが、上部に透水性の不良な土層がある場合には地下水が残留し、十分な水位低下量を確保できないことがあります。
また、ストレーナ長が短すぎると、揚水初期の揚水能力(安定時の2~3倍)を確保できず、十分な水位低下量を確保できないこともあります。
したがって、明らかに透水性の均一な地盤と判定され、かつ、十分な揚水能力が確保可能と判定できる場合以外は、帯水層全体にストレーナを配置しなければなりません。
ただし、中間に透水性の不良な土層がある場合には、帯水層全体にストレーナを配置しても、十分な水位低下量を確保できないことがあります。
この場合には「止水工法」を採用することが必要となります。

3 タマリ水処理用ディープウェル

止水性土留壁および下部難透水層で締切られた掘削溝内のタマリ水排水を目的として設置します。
最大の集水能力を確保するため、ストレーナは帯水層全体(地下水位面~砂ダメ上端)に設置します。
土層条件によってはリリーフウェルとしての機能を持たせることも必要です。