NO,14

止水
投稿者:ナツオ
投稿日: 8月10日(火)18時27分59秒

こんにちわ。
いろいろとこのホームページで勉強させてもらっています。
質問です。
鋼矢板のセクションからの漏水をとめたいのですが、良い方法はありますか?
ちなみに床付けまで終わっています。

Re 止水
投稿者:利光(管理人) 投稿日: 8月10日(火)23時44分52秒

漏水の状況や原因などの詳細が不明ですから、明確なことは言えません。
したがって、私の薬液注入における実務経験を基に、コメントします。

■漏水が土砂を伴っている場合

放置すると矢板背面に空洞が生じ、路面が陥没する危険性があります。
とりあえず、ウェス(ボルトナットの入っている麻袋など)を漏水箇所に叩き込みます。
これで土砂が止まれば幸運です。
水はムリに止めません。
水を止めると他の部位から新たな漏水が生じることがありますので・・・。

だめなら、薬液注入の出番です。

注入圧力で矢板のセクションが外れないよう、漏水箇所を鋼材で溶接補強します。
腹起で押さえることができれば、より安全です。
(余談:SMW土留壁の場合は鉄板でソイル壁を溶接防護したうえで補強します。)

次に懸濁型超瞬結材(ゲルタイム0秒)を土留から控えた場所に注入します。
削孔時に漏水が濁ったポイントが水ミチです。
重点的に注入します。
矢板直近に注入すると、注入材がゲルする前に流失したり、矢板を押し倒したりします。
水が止まったら懸濁型瞬結タイプに切り替え、注入圧を見ながら仕上げ注入を行います。
なお、溶液型瞬結材は一般的にゲル強度が小さいので、漏水止には不向きでしょう。

懸濁型超瞬結材はA液(特殊水ガラス)とB液(硬化剤+セメント)を混合した瞬間にゲル化(硬化)します。
シールドマシンの立坑到達時止水注入や井戸の湧水止めなどに使用し、良好な結果を得ました。
詳しい情報などは、別途、メールでお問い合わせください。

■漏水が土砂を伴っておらず、矢板変位、セクション不接合などが無い場合

危険な状態でなければ、止水は不要でしょう。
漏水が躯体構築の支障にならないよう、コンパネ、シートなどで遮蔽して水を釜場に誘導します。

以上、簡単ですが、お答えします。