NO,25

水が上がりません
投稿者:海外部隊 投稿日: 7月 9日(土)17時57分36秒

GL-30m付近の砂層域に向かってスーパーディープウェル工法を施しました。
しかし水が上がってきません。
同じ高さにあるシールドのセグメントにあるグラウトホールと同じ位の揚水量しかありません。(1分間に20L程度)
スクリーンも洗浄しましたし、コンプレッサーの加圧と真空ポンプの減圧も繰り返し行いました。
他に原因はありますでしょうか。
ちなみに透水係数は0.001cm/s程度ですので上がるはずなのですが。
但し、砂の粒子は非常に小さく0.078mm相当のシルトに似たものです。

まちがえました
投稿者:海外部隊 投稿日: 7月 9日(土)17時59分37秒

スーパーディープウェル工法→スーパーウェルポイント工法です。

Re:水が上がりません
投稿者:利光(管理人) 投稿日: 7月10日(日)14時24分57秒

スーパーウェルポイント工法に関する信頼性の高い情報を持っていませんので、推測により私見を述べます。
(土質詳細、ウェル構造仕様、削孔方法、揚水能力算定式などがわかると良いのですが・・・。)

揚水量が計画量より少ない原因には、以下のものが考えられます。

1.地盤の透水係数が想定値よりも小さい。

K=0.001cm/secの砂は細粒分を多く含むシルト質砂のような土質かもしれません。
Kが10^-4cm/secのオーダであれば、揚水量が極少となってもおかしくはありません。

2.井戸掘削に用いた孔壁安定材(粘土、ベントナイト等)が地山に浸透し、完全に除去されていない。

地盤の透水係数が小さい場合には、井戸洗浄に必要な地下水の供給量が少ないため、洗浄が不完全なのかもしれません。

3.ウェルの設計手法が実情にマッチしていない。

設計内容を吟味してください。
過大な評価が、「水が上がらない」原因かもしれません。

バキューム効果により、ウェル内外水頭差が7m程度増大したとして、揚水能力を試算したことがあります。
被圧井戸公式をベースに、井戸内外水頭差Sを補正(7mを加算)し、影響半径は補正後のSを用いてシーハルトの式で算出しました。
結果は、ディープウェル揚水能力の50%~60%増し程度となりました。
所要水位低下量Sが小さいほど増加率は大きくなります。(当然のことですが・・・。)

Re:水が上がりません
投稿者:さか 投稿日: 7月13日(水)13時22分59秒

SWP(スーパーウェルポイント工法)を採用した事がありますので、参考になるか分かりませんが、私見を書かせていただきます。

「水が上がりません」という表現は、井戸の集水能力が足りません(水が集まって来ません)と言う解釈の元で...

SWPは、バキューム効果を得るため特殊セパレートスクリーンを採用しております。
このスクリーンは、ストレーナーで集水した地下水を水中ポンプへ送り込む通水孔という部分が存在し、その通水孔の大きさはストレーナー下端に1m程度しか無く、井戸内から直接ストレーナーを洗浄することは出来ません。
よって、井戸の洗浄方法としては、ベントナイト泥水を使用する削孔方法で一般的に用いられるジェッテング工法やスワビングが採用できず、スイング洗浄(清水をポンプ圧送して井戸周辺の残留泥水及び細粒分を洗い流し、次に真空状態で揚水を行うを順次繰り返す)と言われる方法が用いられます。

私は井戸洗浄について机上の知識しかありませんが、ベントナイト泥水を使用した井戸の洗浄を考えた場合、ジェッテング工法やスワビングスイング洗浄と比べ、スワビング洗浄は確実性が落ちるような気がいたします。

よって、井戸の洗浄が不十分であることが今回の原因では無いかと推定され、もうすこし洗浄してみては如何でしょうか?

Re:Re:水が上がりません
投稿者:利光 投稿日: 7月14日(木)10時03分28秒

さかさん、貴重なご意見、ありがとうございます。

スイング洗浄=逆洗(ぎゃくせん)と呼ばれる洗浄方法ですね。
フィルタ砂利層の中を、注水した洗浄水が噴き上がりますので、フィルタ層の目詰まり解消には有効な洗浄方法だと思われます。
ただ、逆洗はかなり強引な洗浄方法ですから、フィルタ層を荒らしたり、シール層を破壊したりする可能性があります。
スーパーウェルポイント工法はバキューム効果によってウエル内外水頭差を増大させるため、土質によっては、浸透水の流速が限界流速を大幅に越え、乱流域の奥深くまで移行することも考えられます。
この場合、ダルシーの法則が不成立となるなど、理論的に難しい話がでてきますが、実施工においては、ウェル内に地山土粒子が流れ込む等のトラブルが生じる危険性が高くなります。
したがって、井戸洗浄はフィルタ層を痛めないよう、慎重に行うべきであろうと考えます。