NO,21
ウェルポイントの矢板内側設置要領
投稿者:藤井博志 投稿日: 1月31日(月)23時09分30秒
東北地区の排水ポンプ場の施工計画です。仮設設計図でウェルポイントが土留矢板内側に設置されています。
矢板外側は土砂または排水路のため、外側に設置してもウェルポイントの効果は無く、浸透路長が稼げる内側にセットする計画です。
根切り面よりも内側でのもう1段の掘削をドライ施工とするための手法と思います。
①本計画で、土留め矢板が自立式矢板のため、ヘッダーパイプを設置する腹起しがありません。
この場合、塩ビ管ヘッダーパイプの設置に次の3案を考えましたが、どれか適切な方法があるでしょうか?
第1案:ヘッダーパイプは矢板外側にはわせて、スイングジョイント(ホース)を矢板上を越して矢板内側のライザー管頭につなぐ。(矢板の地上突出高は0.4mです)
第2案:土留め矢板にブラケットを溶接し、ヘッダーパイプを直接乗せて、番線などで固定する。
第3案:自立式矢板でもブラケットとH鋼を設置し、この上にヘッダーパイプを設置する。
②他に、真空ポンプ及びヒューガルポンプの設置箇所は矢板外側でもかまわないでしょうか。
③もう一つ、ウェルポイント設置間隔が@1.2mとなっていますが、仮設矢板の波が0.4mのため、ウェルポイント2本に1本は、矢板の波の凸の方に出てしまい、矢板内部の掘削の障害にはなります。
このような場合、施工業者さんの方で、1.20m間隔を0.80m+1.60mにして設置されるなどの対応が取られるのでしょうか?
勉強不足ですが、おわかりの方がいらっしゃいましたらご教授頂きますようお願い致します。
Re:ウェルポイントの矢板内側設置要領
投稿者:利光(管理人) 投稿日: 2月 1日(火)00時53分52秒
ご苦労様です。
状況を把握するため、以下の情報をお教え下さい。
■土質条件 土層深度、土質名、N値、透水係数
■地下水条件 地下水位
■掘削規模 幅、長さ、床付深度
■土留仕様 鋼矢板根入先端深度
■その他 「根切り面よりも内側でのもう1段の掘削をドライ施工とする」の意味。
文面ではイメージアップできません。
Re:ウェルポイントの矢板内側設置要領
投稿者:利光(管理人) 投稿日: 2月 9日(水)17時35分45秒
お願いした情報をいただけませんので、簡単に私見を書きます。
ここでは本体掘削深度が GL-5.0m以深、土質は砂層とします。
■ヘッダパイプの設置位置
ヘッダパイプ中心と低下水位面の距離が5m以内となる位置にヘッダパイプを設置します。
腹起があれば腹起上に、腹起がなければブラケットを取り付けてヘッダパイプを配管します。
真空力による吸い上げ可能高さ(サクションヘッド)が5m程度だからです。
■ヒューガルポンプの設置位置
ヒューガルポンプはセパレータタンクに接続しますので、ヒューガルポンプはヘッダパイプと同レベルに設置することになります。
セパレータタンクおよびヒューガルポンプ設置用の仮設ステージが必要となります。
真空ポンプは掘削溝外でもかまいません。
矢板背面地盤を掘り下げてウェルポンプを設置し、鋼矢板に丸穴を開けてヘッダパイプを通した事例もあります。
■ウェルポイント打設位置
ウェルポイントは掘削作業の支障にならないよう、矢板の掘削溝内側凹部に配置することが多いのですが、次の点に注意してください。
○鋼矢板打設工法がオーガ併用の場合、オーガ孔外周面に土砂撹拌による難透水膜が形成されていることが多く、ウェルポイントに地下水が集水されないことがある。
○根固め注入が施工されている場合はウェルポイントの打設が困難である。
■ウェルポイント打設間隔
ウェルポイント打設位置を矢板の掘削溝内側凹部とする場合、打設間隔を均等にするならば、0.8mあるいは1.6mとなります。
設計が1.2mであれば 0.8m+1.6m の配置でもかまいません。
所要本数が確保できれば、あまり神経質にならなくても良いでしょう。
極端な配置間隔は不適当ですが・・・。
■お願い
技術的な質問等をされる場合には、土質条件、地下水条件、土留工法等の施工条件などを可能な限り明記してください。
諸条件が不明な場合には、様々な状況を想定しなければなりません。