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不完全貫入状態でのディープウェルの設計について
投稿者:ずぶの素人 投稿日: 7月 5日(火)19時35分26秒

はじめまして。何卒ご教授下さい。

■自然水位 GL-5.2m
■所要低下水位 GL-6.5m
■滞水層下面深度 GL-25.0m
■透水係数 K=1.21E-1cm/sec
■土質 礫質土(不圧帯水層)

こういった条件でディープウェルの設計をしているのですが、以下の点で悩んでいます。

1. 帯水層下面までかなり深いので、途中まで掘削して不完全貫入状態で設計しようと考えています。(掘削深が浅くなるので経済的になると考えました。)
どの位の深さまで掘削すればよいのでしょうか?

2. 「根切り工事と地下水」P.115の式3.90に準じて排水量は算出できますが、水位低下量は式3.83を適用すればよいのでしょうか?

3. 施工場所は川と山に挟まれていますが、その場合は式3.91を適用するべきでしょうか?(片面無限境界というのがピンときません。)

宜しくお願いします。

Re:不完全貫入状態でのディープウェルの設計について
投稿者:利光(管理人) 投稿日: 7月 5日(火)23時37分14秒

ご苦労様です。
掘削規模、土留工法、土層分布などの詳細を知りたいところですが、とりあえず、私見を述べます。

Q1について

滞水層下面深度が深い場合には、経験的な手法「低下水位量の3倍相当深度」を用いてはどうでしょうか。
本件の場合 (6.5m-5.2m)×3+5.2m=9.1m=GL-10.0m とするのです。
ディープウェルのストレーナ下端深度はGL-10.0m(滞水層の下面深度)となります。
井戸モデルは完全貫入井戸となります。

Q2について

排水量の算定式には経験式、理論式、実験式など、様々なものがあります。
使用されている式3.90の記事欄には「チャップマンが模型実験により求めた式」との注釈があります。
私自身、この式を用いてディープウェルの設計を行ったことはありませんので、実用性については不明です。
ディープウェルの設計にリンクさせるのが難しそうです。
水位低下量の算出方法もわかりません。

一般的な井戸理論に基づく「群井戸の設計手法」を採用できないでしょうか?
トレンチ掘削であれば、ディープウェルを20m~30mピッチに千鳥配置して、群井戸理論で設計します。

Q3について

本件の場合、影響半径が R=3000×(6.5m-5.2m)×√(1.21E-3m/sec)=135m となります。
したがって、川(地下水涵養源)までの距離が135m以上であれば、川の影響は無視できるでしょう。
被圧滞水層の解析ではないので、山の存在は無視できるものと思います。

仮設計画図、土質柱状図などをメールでお送りください。
信頼性の高い、サポートが可能になるものと思います。

回答ありがとうございます
投稿者:ずぶの素人 投稿日: 7月 6日(水)22時26分53秒

利光様
素早い回答ありがとうございます。
「低下水位量の3倍相当深度」というのは設計室の帯水層厚の決め方から来ているのですね。
なるほどなるほど。
これを元にして完全貫入井戸として設計する事にします。
ありがとうございました。